見世物小屋(みせものごや)とは

好奇心をそそり驚かせるもの(珍品、奇獣、曲芸など)を見せる小屋。

 

室町時代に始まり、歌舞伎や人形浄瑠璃とともに京都の四条河原をにぎあわせた。江戸時代に、江戸を中心に隆盛した大衆文化のひとつとして発達した。現代でいうところの、サーカス・美術館・動物園・お化け屋敷・芸能パフォーマンスなどに匹敵するような種々雑多の意義を内包していたといえる。

 

明治以降に現代の見世物小屋のスタイルが確立され、神社のお祭や縁日などにて、仮設小屋を立てて巡業して各地を回り、テレビが普及する以前は大衆娯楽として幅広く受け入れられていた。

 

主な出し物としては、大蛇、へび女、タコ娘、ろくろ首、人間ポンプ、剣舞、気合術、犬の曲芸などがあり、想像力をかき立てるような巧みな口上で呼び込みがされた。また、1975年以降は身体障害者の出演については取締りが厳しく行なわれるようになった。

 

全盛期の江戸後期には全国で300軒もあったが、1950年代末には48軒、1980年代後半には7軒と減少し、1990年代には4軒、2010年以降は大寅興行社1軒のみとなっている。